2025年9月25日(木)、26日(金)宮城県仙台市の夢メッセみやぎにて、2025年度3回目、通算19回目、そして仙台では2回目となる「実装・組立プロセス技術展」を開催いたしました。
展示会概要
前回の宮城展はとても多くの方に来場をいただいたことから、会場を夢メッセみやぎの西館展示場から、Cホールに移しての開催となりました。

MUSUBI会員企業19社の他、お困りごと相談コーナーと技術セミナーに
第一実業株式会社様、千住金属工業株式会社様、ヤマハ発動機株式会社様の参加をいただいたことで、より充実した内容で開催することができました。
今回、こちらの開催報告レポートでは
- 初登場の新製品(5社5製品)
- お困りごと相談コーナーとは?
- 技術セミナーの概要
- 見学者の声
について紹介します。
◼️新製品
今回、MUSUBI初登場となる新製品を展示した企業が5社ありました。
KnK株式会社
電子部品リールの入出庫と管理を効率化、省スペース化まで実現するスマートリールラック(立体自動倉庫)

電子部品の収納ラックに位置情報を持たせることで、製造機種切り替え時のピッキング作業にかかる時間と部品の選定ミスを大幅に減らすことができる収納ラック。
また、台車付きのため移動も簡単でリールの保管室や専用スペースを設ける必要もなくなり、工場内の省スペース化も実現できます。
多品種小量の製造案件が多い実装工場において導入メリットの高い製品で、25年の冬頃を目安に販売が開始される予定です。
メイショウ株式会社
リワーク機までのマガジンラック搬送を自動化したコネクティングオートストッカー

マガジンラック搬送と自動リワーク装置を組み合わせたことで、リワーク業務における搬送工程を無人化・省人化できる自動システム。
従来、リワークの対象が小型の基板だとリワーク装置と保管場所の間を何往復もしたり、大型の基板だと1枚の重量が7〜8キロにもなる基板もあるため、運搬や搬送が重労働であり、リワーク業務の前後の工程にもリソースが割かれていました。
こちらの装置は、マガジンラックが7段あるため、一度に多くの基板を運搬できます。
サーバー用の基板や半導体のテスターなど、定期的に多くの基板を交換する現場において貢献度の高いシステムで、26年春ごろを目安に販売が開始される予定です。
日置電機株式会社
部品搭載検査が簡単でスピーディーに行えるインサーキットテスタ FA1220-62

ハイスピードでハイパフォーマンスの計測エンジンを、スマート&シンプルボディーで実現したインサーキットテスタ。
従来のインサーキットテスタは機能がオーバースペックしていることが多かったため、費用や運用面で導入が難しいケースがありました。
こちらの製品は従来のインサーキットテスタと比べると、サイズ(高さ、設置面積)を小さくし、機能も限定することで、作業、操作はとても簡単になったうえ、従来の同等品に比べ、価格優位性も生まれました。
EMSや民生向けの基板製造を行う現場に最適な製品で、25年12月5日より販売予定です。
マランツエレクトロニクス株式会社
トレーサビリティ体制を向上させるレーザマーカ装置LMXシリーズ

エンドユーザー側で基板実装後の品質管理を行えるように、基板内の表面にも裏面にもQRコードの印字を可能にしたレーザーマーカ。
レーザの方式はUVレーザとCo2レーザの2種類から選択が可能で、特にUVレーザは高品質な印字をダメージレスで行えることにより、印字時に生じる粉塵が大幅に低減されることから集塵機を使用する必要がないため、製造現場の環境改善にもつながります。
また、非常に長寿命なことからランニングコストの削減にもなります。
同社のコンベアや基板クリーナーとの連結が可能で、品質管理システムを構築できるだけでなく、基板セット工数の削減や省人化・効率化まで実現できます。
品質管理のシステム化を促進するこちらの装置は25年8月より販売を開始しております。
アルファーデザイン株式会社
はんだレス化に貢献する複合電子部品挿入機 Board-Packer AMXz

製造工程の簡略化、コスト削減、環境負荷の低減、そして熱影響の回避などに期待されているプレスフィットピンをはじめとした、各種電子部品を挿入できる複合電子部品挿入機。
材料費の高騰や環境負荷の観点から求められるはんだレス化に応える装置で、特に、はんだレス化が広がる車載向けの基板を製造している現場に貢献できる装置です。
他にもバルク状の異形状端子・ハトメ・フープ上のタブ端子などチップ化されない挿入部品の対応も可能なこちらの装置は、25年1月より完売を開始しています。
以上がMUSUBI初展示となった製品です。
いずれも実装現場における作業負担軽減、省人化や効率化、品質の向上をテーマに開発されており、中小規模の工場にとっても導入メリットの高い製品です。
◼️お困りごと相談コーナー
第一実業株式会社
工場やラインの自動化を最適化させる仕組みづくりの相談窓口
先進的な省人化・自動化システムを提供する同社は、当展示会では、基板実装に特化した後工程の連携システムをソリューションとしてご紹介しております。中小規模の現場にマッチしたシステムの導入方法や、システムはあっても運用がうまくできていない大規模な現場には工程ごとの細かい落とし込みを行える仕組みの提案をしています。
「製造工程の自動化は、設備を入れれば形式上は実現できたようにみえるが、作業の目的や作業者の動線を理解した上で、それら自体を自動化しなければ、本当の自動化は実現できない」という、自動化の理念から教えてもらえます。
車載や医療関連など、高度な品質管理・品質保証を追求されるお客様や、人出不足でお困りの全てのお客様にお勧めの窓口です。
千住金属工業株式会社
複数のはんだを、はんだ付けをすることで比較でき、はんだの見直しを相談できる窓口
今回は、千住金属工業様から4種類のはんだを持参いただき、実際のはんだ付け作業を通して、フラックスや組成の違いを実感できるコーナーとなりました。
特に、従来のはんだと比べ、約80℃ほど融点が低い低融点はんだの「MILATERA」が注目されておりこの機会を通じて、普段利用しているはんだを見直してみようか考えたという方もみられました。
費用や性能だけでなく、CSR活動やサステナビリティの面からもはんだの見直しを検討したいお客様にお勧めの窓口です。
ヤマハ発動機株式会社
ヤマハ社製品のSMT工程全般にわたる疑問、質問、要望をダイレクトにやり取りできる相談窓口
SMT分野では、実装機メーカで知られているヤマハ発動機。
「ワンストップソリューション」を提供しており、実装機、印刷機に加え、ディスペンサーや検査機などのすべてのラインナップを自社でもつ業界唯一の実装機メーカであり、ラインの生産状況をリアルタイムで一括して見える「ダッシュボード」システムも併せて提供することで、生産性の向上に貢献します。
加えて、24時間対応のコールセンターにて遠隔でサポートしてもらえるところも、ユーザーファーストのヤマハ・マインドを強く感じました。
そして今回は、同社が注力している“新しい試み”である『SMT×FA』で実現する工場の省人化・自動化への取組にフォーカスをあてて、「どのようなご相談が寄せられたか?」をインタビューしました。
主にマシンの使いかた、ネットワーク、データサーバーに関する悩みが寄せられていました。
ソフトウエアやネットワークの説明はその場で図を書き、説明をしながら行うことで圧倒的な理解を生みます。
リアルタイムで手書きの図を書くことはWeb会議では難しく、対面で相談できることの大きなメリットです。
マシンの使い方を知りたい方はもとより、ネットワークやデータサーバーの見直しを考えたいお客様にお勧めの窓口です。
KARAコンサルティング株式会社
導入を考えた製品を、どのようにすれば導入しやすくなるかをサポートする助成金支援の窓口
装置や設備を導入したいが、費用面で悩んでいる工場や、補助金制度があることを知らない人たちに有益な情報を提供し、興味を持った製品や設備、サービスをどのようにすれば導入しやすくなるかをお教えします。
MUSUBIの特長でもある同社のサービスは、業界の情報を見学するだけになりがちな一般的な展示会にはない、資金面からも工場運営をサポートする相談コーナーで、特に20人以下の規模で、新しい設備を導入したいけれども資金面がハードルになりやすいお客様にお勧めの窓口です。
◼️技術セミナー
宮城展では2日間ともに6社のセミナーを実施し、いずれのセミナーも盛況でした。
MUSUBIで開催するセミナーは、登壇企業が紹介したい製品をアピールするだけのものではありません。
実装工場が設備の稼働率を高めたり、歩留まりの改善を行い生産効率を高めるためにはどうすればよいか?

実装サービスの付加サービスとして、新しく収益性の高いリワーク業務、リボール業務と言ったサービスを開始するためにはどのような設備を入れ、どのような運用を行うべきか?

また様々な設備を導入する際には、どのような補助金を利用すれば従来よりもを少ない費用で導入ができるか?
といった内容を
工場の視点でメリットやよくある課題、そしてその解決方法についてお教えしています。
今まで様々な内容のセミナーを開催しておりますが、根底にあるのは「実装工場の売上増加や収益改善のために役立つ情報を提供する」というテーマです。
日常業務が忙しく、工場全体の稼働計画を立てにくい実装工場や新しくBGA関連サービスに取り組んでみたいという実装工場の方に受講いただきたいセミナーとなっております。
次回、姫路開催のMUSUBIでもセミナーはさらに力を入れた内容で実施をしますので上記の様なお悩みを抱えた現場の方には、一人でも多くご参加いただきたいです。
◼️来場者の声
今回、会場出口にて見学を終えられた方へ取材を依頼し25名の方に回答をいただきました。
以下、主な意見をご紹介します。
- 来場目的
・専門展示会は地場での開催がないため
・自動化製品の情報収集
・会場が県内であり、最新の設備を見学するため
・新しい設備の勉強 - 全体を通して良かった点
・皆さん丁寧であった
・ゆっくりと見やすい配置
・ゆっくり相談ができる
・メーカーとの会話をゆっくりできた
・実演ありでわかりやすかった
・実装工程がイメージできる導線
・担当企業が丁寧に説明してくれた - 今後のMUSUBIに期待すること
・より多くの参加企業
・デモやプレゼン
・マウンターも見たい - 抱えてる課題
・画像検査
・人手不足
・真空リフロー
・人材不足
・高齢化
・老朽化
来場目的は「情報収集」と「学習」のためという方が多かったのですが、
「ゆっくり見学できた」「ゆっくり相談できた」そして「丁寧であった」というお褒めの言葉を数多くいただきました。
現場が抱える課題が「人手不足」「人材不足」「高齢化」「老朽化」であることを日々のニュースから流れてくる情報としてではなく、現場のリアルな声として聞くことができました。
最後に、この先のMUSUBIに期待する点として
「せっかくなら、多くの企業、製品を見たい」、「デモやプレゼンを見たい」、「実装設備の主役であるマウンターを見たい」という要望をいただきました。
MUSUBIでは、これらの要望や意見をしっかりと受けとめ、見学者が参加しやすい会場で、ゆっくりと興味のある製品やサービスを見て、触れて、
お困りごとの相談や現場の抱える課題を解決できる場になれるように成長していきます。
◼️まとめ
宮城開催は、技術セミナーとお困りごと相談コーナーが充実した展示会でした。
| 会期 | 2025年9月25日(木)〜9月26日(金) |
| 開催時間 | 10時〜17時(※26日は16時まで) |
| 会場 | 夢メッセみやぎ 1F Cホール |
| 2日間の合計来場者 | 191名 |
◼️おわりに
2025年度最後となるMUSUBIは11月6日(木)~11月7日(金)の 2日間兵庫県の「アクリエ姫路 1F A/Bホール」にて開催します。
大手実装機メーカー様にご協力をいただき最新のスクリーン印刷機とモジュラーマウンターの展示をはじめとする充実の展示を企画しております。
2025年11月 兵庫開催情報 | 【公式】実装・組立プロセス技術展
また、セミナーやお困りごと相談コーナーも、より力を入れた講師や担当企業を企画しており、さらに充実した内容で見学者様をお迎えする予定です。
アクリエ姫路はJR姫路駅から徒歩約10分という好立地のため、電車での移動にも適しており、遠方からでも参加しやすい環境です。
兵庫県域だけでなく岡山や広島、鳥取のみなさまも11月25日、26日はぜひMUSUBI姫路会場まで足をお運びください!
生産現場の自動化、省人化、品質改善や生産性向上を支える各メーカーの最新設備を会場でゆっくりとご覧いただき落ち着いた時間の中でいろいろな相談ごとなどお聞かせください。
会場でお会いできることを、MUSUBI会員企業一同 心より楽しみにしております。
11月25日(木)、26日(金) 姫路展の開催情報はこちら
◼️おまけ🍭
2025年新潟開催幹事 有限会社イトウプリント 伊藤常務(右) と 宮城開催幹事 KARAコンサルティング 高橋社長(左)


