2025年7月栃木・宇都宮開催 結果報告

展示会結果報告

2025年7月16日(水)、7月17日(木)栃木県宇都宮市マロニエプラザにて、2025年度では2回目、通算では18回目となる「実装・組立プロセス技術展」を開催いたしました。
なお、栃木県での開催は今回が初となります。

※本展からプリント基板関連業界の情報を取り扱うWebメディア『基板の窓口』が、開催会場を取材することになりました!

基板の窓口
https://jpcb.jp/

今回の開催報告は基板の窓口様に執筆いただいております。

 

◼️展示会概要

今回の展示会ではお客様からの「前工程も一緒に見たい」というご要望にお応えし、ヤマハ発動機株式会社様ご協力のもと、前工程であるSMTラインの展示が行われていました。

また、技術セミナーも2日にわたり開催され、千住金属工業株式会社様、ヤマハ発動機株式会社様、第一実業株式会社様も登壇し、材料やシステムエンジニアリングと言った視点からの課題解決を提示する講演が行われました

 

◼️出展企業紹介

MUSUBIでは工程別にエリアを分けた展示がされていました。

今回は・EMS ・塗布プロセス ・組み立て ・実装支援 ・各種コンサルティングと、明確に区分けされ、各社の製品を工程ごとに配置した展示が行われていました。

また、初の試みとして、装置と装置を密着させ、ラインの臨場感を感じられる省人化体験エリアが特設されていました。


EMSエリア

エリア区分をわかりやすくイメージさせるため、EMSエリアにおける説明スタッフの皆様は黄緑色のロゴバッジをしていました。

多摩パーツ株式会社


各種コンデンサをはじめ、抵抗器や高周波フィルターなどの受動部品の調達力に強みをもっている電子部品商社。
大手部品メーカーの正規代理店もつとめ、豊富な在庫と代替提案力が強みです。

加美電子工業株式会社


電源周りの電子部品開発、特に省電力を扱う案件に強みを持っています。
カスタム対応が得意で用途にあわせた柔軟な製品を開発します。

多摩エレクトロニクス株式会社

同社が提供するBAGフィルタは従来のフィルタと比べると赤外線の吸収特性に優れ入射角の依存性も低いことから、高い光学性能を発揮できます。
大手メーカー製ノートPCのカメラにも採用されています。

株式会社愛工機器製作所

2層から12層の基板を製造・販売する企業。少量多品種に対応していて、ビルドアップ基板から厚銅基板まで幅広く対応します。
特に厚銅の対応レベルが高く、放熱性が求められる場面に多くの実績を保有しています。

株式会社レクザム

電子機器の製造からビールの醸造まで幅広い事業を展開している同社。こちらのゾーンでは金属加工製品を展示されていました。
特に注力している自動車用部品は高く評価され、大手自動車メーカーへの納入実績も多数あります。


塗布プロセスエリア

塗布プロセスゾーン、組み立てエリア、実装支援エリア、省人化体験エリアのMUSUBI会員メンバーは赤色のロゴバッジをしていました。

日本プラズマトリート株式会社


同社が提供する大気圧プラズマ処理は様々な金属の表面に対し洗浄、改質、接着促進などの効果を向上させます。
プラズマ処理を施すことで金属表面にどれだけの変化が起きるのか、処理を施した板と何もしない板とでテープの粘着具合がどれほど違うのかを体験できる展示でした。

アルファーデザイン株式会社


従来、防湿剤は手塗りが主流でしたが、同社の装置を利用することで自動化を実現できます。
本展示会のテーマでもある省人化がわかりやすく紹介された展示でした。

アントム株式会社


数時間かかっていた防湿剤の乾燥が、こちらの乾燥炉を使えば1分で完了します。
さらに防湿剤に含まれるシンナーの臭いなども吸い取ってくれるため、工場内の臭気対策にも繋がります。

化研テック株式会社


フラックスが残っていると回路特性に影響を与えてしまい、適切な動作を得られない可能性があります。
その為、特に信頼性が求められる自動車や航空機の基板ではフラックス洗浄は欠かせません。

マランツエレクトロニクス株式会社


部品検査にとどまらずコーティング剤が問題なく塗布されているかまで把握できる外観検査装置。
基板の両面を同時に検査できる装置のため、検査時間を大幅に短縮する事が可能です。


組立エリア

アポロ精工株式会社


今回展示されていたメタルスリーブを用いたはんだ付け装置は、適切な位置に適切な量のはんだを供給することが可能です。
スリーブで密閉されていることで、フラックスの飛散も防止します。

株式会社ジャノメ


様々な産業機器を提供する同社は、自動ねじ締め機を展示されていました。
手作業の場合、ねじの締めすぎ、締め不足といった課題が生まれていましたが、自動化することで精度と品質を高め生産性を向上させることができます。

株式会社東京測器研究所


ひずみゲージを用いた測定器などを提供する同社は、本展で基板のストレスチェックサービスを紹介されていました。
基板の製造や実装工程の中で基板に圧力が大きく加わってしまうことで、基板が破損したり、電気的な不良を引き起こす場合がありますが、こちらのサービスを活用することで製造、実装の工程に問題がないかを確認することができます。

株式会社サヤカ


ルーター式基板分割機で国内トップシェアを誇る同社では、下から刃を出すタイプの基板分割機を展示されていました。
刃が下から出ることで、実装した部品を傷つける恐れがありません。信頼性が求められる分野で重宝される装置となっています。


実装支援エリア

KnK株式会社


同社のX線チップカウンターは精度が99.9%と非常に高く、しかも8秒という短時間でカウントが完了します。
操作が簡単な点も評価を集め、国内販売台数は既に200台を突破しています。本展示会でも大変人気な1台です。

株式会社日立技研


同社の目視検査支援機「Neoview」は、一つ前の工程である外観検査で可判定となったNG箇所の再検査を行う装置です。
時間をかけずに本当の不良箇所を見つけることが可能です。難しい操作が不要の本装置も、省人化を推進する装置です。

メイショウ株式会社


自動化・省人化の実現を掲げる同社からは、リワーク装置が展示されていました。
従来のリワーク工程はエンジニアによる専門技術が必要で、難易度の高い作業でしたが同社が開発した独自のソフトウェアと機構の工夫により、専門知識が不要(スキルレス)で、短時間(スピーディー)かつ安全・確実なリワーク作業が可能となっています。

株式会社アイビット


性能とコストパフォーマンスに優れた同社のX線検査装置は、独自技術の「X線ステレオ方式®」により、実装基板の裏面画像を消すことが可能です。
BGAなどはんだ接合部を直視できない部品や両面実装基板の検査が可能です。

有限会社イトウプリント


メタルマスクから治具の製造まで一貫した対応が可能な同社は様々な穴径と板厚のメタルマスク、そして治具の展示がされていました。
非常に精度の高い穴あけ加工が可能なため、同社自身も販売先をリサーチしています。

なお、今回ヤマハ発動機様の印刷機にセットアップされていたメタルマスクは同社の製品になります。

株式会社マルコム


様々な測定機器を提供する同社が本展で展示していたのはリフローチェッカー。
リフロー工程において温度管理は重要で、温度が高すぎると基板に悪影響をもたらし、低すぎるとはんだが溶けません。
同製品を使用することでリフローの温度管理が適切にできているかを確認することができます。
高い評価を獲得し、国内シェアは90%以上、3,000社に導入されています。


省人化体験エリア

特別ゲストであるヤマハ発動機様は特別出展企業の紺色のロゴバッジをしていました。

ヤマハ発動機株式会社


本展では印刷機からマウンター、さらにFA部門からのリニアコンベアがクロス展示されていました。
他MUSUBI出展メーカーの実装関連機器を組み込んだSMTラインの展示が実現されていました。
印刷機に関しては2日目のセミナーでも登壇されていましたが、メタルマスク自動交換、自動バックアップピン交換も以前から評判もよく省人化にも最適な機能になっております。
従来は手作業であったため、ヒューマンエラーが発生していました。自動化により、ヒューマンエラーがなくなるだけでなく、作業者の手が汚れずに済むことも喜ばれています。

株式会社弘輝テック


今回はセレクティブはんだ付け装置が展示されていました。フロー槽は生産性が高いというメリットがありますが、基板全体に熱が掛かってしまったり、はんだブリッジが生まれたりする可能性が高いという課題もあります。
同製品では局所的にはんだ付けを行うことで、はんだフロー装置が抱える課題を解決します。

日置電機株式会社


プリント基板、そして実装後基板の電気検査を担うインサーキットテスタとプローブテスタを展示されていました。
ガーバーデータを装置に取り込むことで、部品が設定した抵抗値になっているかなどを高速で検査することができます。


各種コンサルティングエリア

KARAコンサルティング株式会社


装置、設備、サービスの展示にとどまらず、「どうすればこれらの設備やサービスを現場に導入しやすくできるか」の課題にもお応えされていました。
補助金・助成金の導入をサポートするサービスは多数ありますが、この分野の補助金・助成金導入を得意としているところが、他のコンサル会社と異なる特長です。

はんだ付け教室

千住金属工業様のはんだ付け講習会は見学者様だけでなく、MUSUBIスタッフの中にも、あいている時間を利用して講義を受けたり、質問をしている方がいました。

◼️まとめ

2日間の合計来場者数は235名でした。

初めての取り組みとして行った装置密着型設置の省人化体験エリアは、製造ラインの流れに沿って装置を見ることができるため、
来場者からは「現場の悩み事を伝えやすく、メーカーからの装置説明も理解しやすい」と好評を博していました。

会期 2025年7月16日(水)~7月17日(木)
開催時間 10:00~17:00
会場 宇都宮マロニエプラザ
2日間の来場者合計 235名

今年はあと2回の開催が決まっています。

【宮城】2025年9月25日(木)~9月26日(金) 夢メッセみやぎ
【兵庫】2025年11月6日(木)~11月7日(金) アクリエ姫路

詳細に関しては順次こちらのWebサイトで発信されます。

◼️おわりに

展示会の終盤、本展示会の事務局長であるマランツエレクトロニクス株式会社の元木社長と副事務局長であるメイショウ株式会社の川杉社長から今後の展望と次回の展示会についての意気込みを伺いました。

本展示会はメーカーと地場の関連事業者をつなぐことで、地域のものづくり現場の発展・発達を目指しています。

距離的にも、時間的にも普段はなかなか足を運べない都心部で開催される大型展示会はメーカーの新製品発表を主目的としている出展社が多い一方で、当展示会は、来場者の皆様にじっくりと製品をご覧いただきながら現場の課題やお困りごとを伺い、それに対する解決策を提案する場であることを重視しています。

今後も、このコンセプトは変えず、そのうえで国内の製造現場、特に自動化が進んでいない後工程、組み立て工程が抱える「人不足」「高齢化」「属人化」といった課題「連結」「自動化」「スキルレス」「省人化」のシステムソフトで解決してまいります。

次回、9月の仙台開催では、 現在、特別企画の内容を調整中とのことですが、
ご来場の皆様に「足を運んでよかった」と、必ずご満足いただけるような展示、セミナーの準備を進めています

仙台地域のみなさま、9月25日、26日はぜひMUSUBI会場まで足をお運びください!

そして、生産現場の品質改善・生産性向上を支え続けている各メーカーの最新設備を会場でゆっくり、しっかりとご覧ください!

会員企業一同、心よりお待ちしております。

関連記事

カテゴリー

アーカイブ